シスター制

2012.09.09
当社には、シスター制なる制度がある。sisterの意味は、姉妹とか、修道女である。で、シスター制は、姉が妹の面倒を見ながら育てる。いわゆる後輩育成システムである。修道士(修道女)のしきたりが、シスター制の語源ではないかと思う。とても洒落たネーミングであると思う。

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(以下、Wikipedia 修道士より)カトリック教会では、修道者になるためには一定のプロセスが求められる。修道会に入ることを希望するものはポストランと呼ばれる試しの期間を持ち、修道院で生活する。そこで適性があると認められると会員になるための研修期間というべき修練期を送る。修練期を終えると初めて誓願をたてることが許され、修道会に完全に受け入れられる。清貧・貞潔・服従の三つの誓いを掲げている。

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実は、シスター制は、私がS社の社員の時に、S社が行っていた後輩育成の仕組みである。フォーマルな後輩育成と言うより、もっと、現場に即した育成システムであった。機能していたかというと、ハッキリ分からなかったが、本部でそれが話題に挙がることはなかった。恐らく、創業期の頃に取り入れた、後輩従業員を育成する仕組みではだったのでは。急激に店舗数が増加してから、徐々に風化していったのかも知れない。とても、良い仕組みなのに、運用についてフォーカスされることなく、残念に感じていた。私が独立したら、この概念を取り入れようと思っていた。 当社のシスター制は、まず、入社時に姉を決める。このとき、姉は部署の先輩にこだわっていない。むしろ、姉妹は違う部署になるように推奨している。その理由は、部署の先輩だと、仕事以外は、聞き辛いこともあるので、仕事以外のことで(日常の会社生活において)、妹は分からないことを、気軽に姉に尋ねたり出来るという仕組み。きっちり機能すると、部署間のコミュニケーションも深まっていくだろうとの期待もあり、その様な推奨をしている。エビデンスは(結果的にエビデンスになってしまっているは)、ツイッターを利用した日報である。妹の日報と、姉のフォーローの内容で、日頃のコミュニケーションの深度が分かる。 何事においても、出来る人とそうでない人は出てくる。姉がしっかりしていないと、私などは、妹の成長が心配になる。だが、実はそうでもない。姉がしっかりしていても、妹は成長が遅かったりする。その逆もまた然りである。 この結果の善し悪しを決定している要因は何なのか?私が予想するには、まずは本人の仕事に取り組む姿勢や、当社への関心、姉妹の相性と感じる。妹は、別に姉だけに頼る必要はないのだから、情報の入手ルートはたくさんある。仕事に取り組む姿勢が劣ったり、当社への関心が低かったりすると、情報入手に努力しない。当社では、業務に関わらず会社で起きた課題は、出来るだけ、その場で解決するように推奨している。姉妹の相性を理由にしていたり、姉から教えられていないこと理由にするなら、結局は、前述した「姿勢」「関心」に起因するのではないかと思う。 会社は、会社に関心を持って戴く努力も必要であり、その一環として、社内のしきたりについても、出来るだけ、明文化が必要と思っている。実はこのブログもその一端を担っている。業務マニュアルにない部分をカバーするのが、シスター制とも言い換えられる。現場幹部には、主旨を理解して戴き、よりよい、シスター制を目指して欲しいと思う。