大失態。。証拠(エビデンス)

2012.12.22

エビデンスとは。

1証拠。証言。医学で臨床結果などの科学的根拠。大辞泉 JapanKnowledge 調べ。

との事である。

 

IT業界では、よく横文字が使われる。私もIT企業に勤めていた時にこの言葉を知った。

だが、法人企業は、日常業務で細かくエビデンス求めない

取引相手にはおろか、従業員にも、それが欲しいと思ってても、要求しない。

それを要求することは「疑っている。相手を信じていない。」ことを意味し、この類の行動は日本人は出来るだけ避けようとする。

私とても、言いたくはない言葉であった。少なくとも、2005年以前は。

 
7、8年前のことである。当社は通販のフルフィルメント業務をM社から委託された。その取引開始直後に大きなミスをしてしまった。受注データと、決済データ、キャンセルデータ、配送データに全く整合性が取れない。
データの不整合が数千件にも昇った。
被害額全額弁済を要求されても何ら不思議ではない状況、今後の信頼も全て失う様な大失態である。
その時に、M社から、何と、業務のアクション全てにエビデンスを求められた
IT企業時代は、提案レベルでは、どこの会社でも頻繁に引用される言葉であったが、実際の運用では出てこない言葉であった。
当初は、M社の要求に驚いた。
また、アクション毎のエビデンスを提出するなんて不可能であった。
第一、その様な想定で業務設計されておらず、だから運用も出来ているわけがない。エビデンスが出せない箇所は、内容証明書を社長名で作成し、その内容に責任を持つ旨を記し、M社へ提出した。
ミス発覚後、数日間、都合130時間超の後処理に追われ、その間の睡眠はトータル10時間もなかったと言う嘘の様な本当の話である。
うんざりしてしまいそうではあるが、当時、私はM社のやり方に関心しっ放しであった。とても良い勉強になって、自社の改善すべき点が良く分かった。
 
M社の親会社はホールディングスカンパニー制を敷いて、M社の他、数社を管理している。公開企業もある。
社長は外国人であった。
それからと言うもの、チャンスある毎に、同社の管理体制について聞き捲った。
それから間もなく、全取引先の業務に、エビデンスが残る仕組み作りは終了した。
社内管理にもその手法を取り入れた。
当社への入社後、当初は新入りの従業員も驚くであろうが、環境がそうであれば人は慣れてゆく。
当初から、従業員を疑っているわけではないのだ。
エビデンスと言う足かせが、社内から罪人を作らない仕組みなのである。
流石に、今までに取引先へエビデンスを要求したことは、多分、なかったと思う。
ちなみに、M社とは今も取引は続けさせてもらっている。
M社には、どんなに感謝しても足りないと思う。
M社のホールディングスカンパニーの社長には、お目にかかったことはないが、私が尊敬している経営者の一人である。