朝令暮改。どっちが悪い?

2013.03.04
あなたの上司が、朝礼で話していたことが、終礼では、それが全く覆された話をしている。上司の話に対し、「全く、どっちなんだ?」・・・こんな思いをしたことはないだろうか。私も会社員時代に経験したし、経営者になってからは、従業員に指摘も受けた。 何故、話しが変わってしまうのか?理解しているだろうか。上司と部下、両方の体験した私が整理してみると、以下の3点に集約される。
  1. 時間の経過に伴って、状況・環境の変化があり、対応の変更を迫られる。(例:新しい情報を入手して、そもそも対策が間違っていることが分かり、対応の変更を余儀なくされた)
  2. 進むべき方向性として、方針A,方針Bの2種類があったとするなら、上司は部下に、方針Aを話をしてしまったが、そもそも、どちらにするか迷っていた。その後、ひらめきがあり、方針が変わってしまった。
  3. 上司が部下に話したことを忘れている(朝話したことを忘れるのはヤバいが、飽くまでもこれは例なので)
1のケースは、上司が経緯説明を行えば、部下からも理解が得られる。事情にもよるが、上司から説明がない場合は、部下は上司に事実関係を確認をした方がよい。こんな根本的なケースでも、上司と部下にコミュニケーションギャップが生じてしまうことがある。これは、日頃のコミュニケーションが不足していることが原因であると思う。 2のケースの場合、上司は決断が出来ていないのだから、まだ話しをすべき時でない。どうしても話しをしなければ、期限等に間に合わないのなら、場合分け(前提がXの場合、方針はA。前提がYの場合、方針はB)として、整理をした上で、二案とも話した方が良い。上司の決断のなさが原因で、朝令暮改が頻繁に発生すると、現場はモチベーションを下げ、混乱を招く恐れがある。ひらめきより、根拠が重要であると思う。 3のケースでは、部下は「ちょっと困るよな。勘弁してくれよ。」みたいな感じになる。上司にとっては、忘れてしまう程度の話なのだから、恐らく重要度も緊急度も低い話しなのである。ここで部下が努力すべき点は、重要度・緊急度を気にしつつ、話を聞くと言うことである。そうしていると、重要度や緊急度が低い話か、高い話しなのかが、理解できる。重要度、緊急度が低い話しなら「これは決定事項でない」と、判断できるようになる。更に、話した内容の5W1Hを基に、上司に確認を取れば、それがどんな程度の話なのかが、更に明確になる。 上記の2と3は、上司の不注意な発言に端を発して生じた問題であることは明白。しかしながら、コミュニケーション不足は、双方が反省すべきである。一方的に他責にしてしまうのは自分の成長を止めてしまうので、自分の為にも、自らの反省すべき点に気づけるようになって、改善をして欲しいと思う。 社員教育で良く引用される話し、『組織の上下関係は、顧客と営業の関係と同じ。上司は顧客であり部下は営業担当です。』を聞いたことはあるだろうか。お客様は要望を叶えてもらう側。しかし、お客様は明確な要望を伝えてくれるとは限らない。営業担当は御用聞きの立場なので、お客様のご要望を的確に掴むことが、最初の仕事である。と、言う内容である。これに従うなら、部下は不服を言う前に、上司との関係性の見直しや、仕事のコミュニケーションの改善を率先して実行しなければならないことになる。上司としては、こうして欲しいかな。