コンシェルジュコールセンターを経営する”なせば成る株式会社”のサイトです
当社の起業初年度の年商は6000万円、2年目2億7000万円、3年目4億8500万円であった。このくらい、年商が急上昇すると、何が起こるかご存知であろうか?
当時の弊社は、社内のガバナンスも相当ひどい状況であったが、一番の問題は資金繰りである。黒字倒産の回避が急務になったのである。
黒字倒産とはどういう事か?簡単に説明をすると、業務拡大により『売上げ』の『現金化前』に、『支払い』が『手持現金』を上回って支払い不能に陥り、倒産することである。帳簿上は黒字なのだが、資金繰りが追いつけず、この様な事態を招くのである。銀行の当座口座の支払い(手形決済)でなければ、取引先に交渉し、支払い猶予を頂く事が可能であるし、その他、黒字倒産を防止する手だては幾つもある。
当時、弊社の現金化サイトは、”N月1日〜末日”の収入は、①”翌月末日”もしくは②”翌々月末日”であった。①は『30日〜60日未満』、②は『60日〜90日未満』であった。現金になるまで、平均45日を要した。ちなみに、現在は30日に改善出来ている。売上げが現金になるまでの間、給与・家賃の支払いを始め諸々を支払う必要があった。当社は、更に、引越し1回、決算期をまたいだので納税が必要であった。この時点で、一度でも資金がショートしたら、黒字倒産がグッと身近になって来る。
売上げが増えすぎて、倒産の危機に陥る。最初は信じられない話であった。その位、私は無知であったと言うことである。
倒産を回避するには、どうしてもお金が必要なことは明白であった。私は、お金を作る為に、まず、融資を受けたいと考えた。取引先に支払いの猶予をお願いするのは、最後の最後にしたかった。
創業3年に満たない(つまり決算書が3年分)ないと、一般的には銀行から、お金を融通してもらえない。創業1年半を過ぎた頃、取り急ぎ、第2保証人付きで、国民金融公庫の制度を利用して800万円の融資を受けたが、当時の売上げの上昇から言って、一時しのぎに過ぎず、到底間に合う金額ではなかった。創業2年目(決算期で2期目)が終了し、銀行から融資いただかないと、立ち行かない状況は益々鮮明になって行くのが分かった。
そんな時、私の前に救世主が現れた。前職で知り合った取引先の某ベンチャー企業の社長であった。救世主は、私に銀行を紹介していただけるとのことであった。銀行を紹介するにあたり、銀行との付き合い方についてレクチャーを受けた。
まず、銀行融資には、帝国データバンク、東京商工リサーチ(以下、信用調査会社)の評価が必要になる。信用調査会社に提出するものとして、決算書が必須になる。月々の試算表もあった方がいい。それを準備して、面接を受けることになる。銀行は、信用調査会社の評価点(いわば会社の通知表)で、プロパー融資なら、その点数で大枠の融資金額が決まる。信用保証協会付きの融資であれば、銀行から与信調査を依頼された信用保証協会が融資枠を決める事になる。融資には短期と長期があるので、全て長期でお願いしろとのこと。決算が終終了次第、必ずやることとして、銀行へ決算報告と、信用調査会社に自社の調査してもらう事であった。
救世主のお陰で、当社は、地方銀行2行から、合計6000万円の融資を受ける事が出来た。創業から、まだ2年半しか経過していない時の悲願成就であった。
救世主にはとても感謝をしている。今でも変わらずおつきあいはさせてもらっている。私は年上に好かれる方ではないので、先輩は少ないが、救世主のアドバイスは不思議と、自分の心にスッと沁みてくる。中部地方にお住まいで、私は、その方角に足を向けて、絶対、寝ないことにしている。